このページは、リクルート活動の一環として
外部のインタビュアーに委託し、取材を行っています。

2022.02.01 京都スタジオ スタッフインタビュー

『あつまれ どうぶつの森』家具デザイン担当

「モノリスソフト×任天堂」のカタチ

本日は、皆さん、
どうぞよろしくお願いいたします。

一同よろしくお願いします。

さて今回は、『あつまれ どうぶつの森』で家具のデータ作成を担当された皆さんにお集まりいただきました。皆さん自己紹介をお願いします。

高橋僕は、最初は『あつまれ どうぶつの森』内の、壁紙や床などの画像データの作成と監修をしていたのですが、家具チームの人数が増えてきたこともあり、途中から家具チームに参加しました。今はスケジュールまわりの業務やスタッフ管理など、運営のサポートをしています。京都スタジオでは、各チームの「班長」がプロジェクトマネージャー的な役割を兼務しているのですが、その各チームの班長をまとめるリーダー役もしています。

清成※私は家具の「スケッチ班」の班長をしています。「スケッチ」とは、3Dモデルを作成する際の元になる2Dアートのことです。基本的には、他の2Dデザイナーの描いたスケッチの監修をすることが多いのですが、私自身も描くことがあります。
※過去、『2Dデザイナー編』のインタビューにも登場。

リム※僕は、スケッチ班が描き起こしてくれたスケッチや仕様書を元に、家具の3Dモデルを作成する「家具モデル班」の班長です。最初はモデリング作業のみを担当していたのですが、途中から他の3Dデザイナーが作成したモデルの監修も行うようになりました。
※過去、『マップモデラー編』のインタビューにも登場。

任天堂さんと製品を作り上げていく様子を教えてもらえますか?

清成最初に任天堂さんから家具の大枠での構想を受けて、それに対してどういう形が最適なのかを、まずはスケッチ班で資料収集し、その家具に必要な要素を整理してから描いていくことが多いですね。その後、任天堂さんとスケッチを一緒に詰めていき、「家具モデル」班に引き継ぎます。途中、こちらからデザインの提案をしたり、バリエーションのアイデアを出したりもしています。

リムそうですね。任天堂さんも我々も、最初から正解を持っているというわけではなくて、「みんなで一緒に考えながら完成形まで持っていこう」という進め方です。スケッチは一方向からしか描かれてないことが多いので、求められているデザインの方向性に合わせて見えない部分は実物を参考にしながら、「こういうデザインがいいのでは?」と提案したりもしています。

高橋一緒に作り上げていく、という前提なので、すり合わせをする機会は本当に多いです。定例のミーティングは毎週1回ありますが、それ以外にも必要に応じてその都度ミーティングをしますし、チャットツールを使ったやり取りも頻繁に行います。データに関わっているみんなが意見を出しやすい環境ですし、悩んだ時は相談できる。かなり近い距離感でお仕事をさせていただいてると思います。

清成そうですね。会社としては別々ですが、距離を感じさせない、一緒にゲームを作り上げる仕事仲間として接してもらえていると感じています。

ものづくりへの「想い」と「こだわり」

これまで制作した中で、思い入れのあるものやこだわったものを教えてください。

清成私が最初に制作した「もくせいのバケツ」には特別な思いがあります。
この頃はまだ『どうぶつの森』に合ったデザインがあまりつかめていなくて、黒い「たが」の部分が分厚かったり、鋲(びょう)が目立っていたり、どこかおもちゃっぽい描き方になっていました。全体に目が行ってほしいのに、細かいところが目立ってしまう感じで苦労した記憶があります。最終的に3Dモデルにする際に、そのあたりをモデル班と調整していきました。

リム僕は「ぼんさいだな」ですね。プロジェクト初期に作ったものなので、まだデザインの方向性を探っている段階でしたし、日本語は話せるけれど、そもそもマレーシア出身の僕が日本の伝統文化である盆栽を理解できているのか不安もありました(笑)。でも、『あつまれ どうぶつの森』で遊ぶお客様の中には、プロの庭師の方だっているかもしれません。そういう方にも納得してもらえるように、盆栽について学びながらこだわって制作したのを覚えています。自分にとっては難易度が高くて、やり取りなども含めると結構時間がかかってしまいました。

高橋僕は「パインざいフローリング」です。ゲーム内で家を手に入れた時、最初に敷かれている床で、みんな必ず目にしていると思います。自宅の床がわりと近い素材だったので、表面や溝の光の当たり具合、時間による見た目の変化など、実際のものを一日中観察して仕上げていきました。

任天堂さんとお仕事をしてみて、どのような印象を持たれましたか?

高橋まず、ゲーム作りに対する一人ひとりの熱量が高いですよね。「お客様をがっかりさせたくない」という想いが皆さん強いので、少しでも良くなる余地があれば本当に細かいところまで詰めていくんです。そういう姿勢に日々接していると、自分も技術を高めたり、実物をじっくり観察したりして、より良いものを作りたいという気持ちになっていきます。

リム僕もこだわりの強さはすごく感じています。「ようしきトイレ」を作った時、自分ではわりと良くできたと思っていたのですが、土台の形状やフタの裏側の質感について任天堂さんからいろいろアドバイスをいただきました。そういう徹底したこだわりの積み重ねが、ゲームの世界観を豊かにすることにつながっていると思います。

清成見た目がそれらしく伝わるのは当たり前で、そこから先の、お客様にどういう感情を与えるのかを常に考えている印象ですよね。家具以外でも、例えばUIとか、さりげない部分まで気を配って作っているところにこだわりを感じます。

「京都スタジオで働く」ということ

お仕事の中で、どんな時にやりがいを感じますか?

清成私は、少しずつすり合わせながら、任天堂さんのイメージと私たちのイメージを徐々に近づけていって、最終的にお互い納得のいく家具のデザインが完成した時に、すごくやりがいを感じます。家具は背景の一部でもあるので、一つひとつが目立ちすぎてもいけません。主張しすぎず、でも個性があることが大切です。そうして作った家具を、お客様が当たり前のように楽しく遊んでいるのを見かけると、本当に嬉しいですね。

高橋誰もが知っているような有名なタイトルの制作に関われるのも、とてもやりがいがあります。テレビや雑誌、街中などいろんな場所で広告などを目にする機会は多いですし、お客様の反応も多く、それを楽しみつつも、いい緊張感を持ちながら仕事ができるのはありがたいです。

リムそうですよね。自分が作ったものが世の中に出て、たくさんの人に知ってもらえたり喜んでもらえたりすると、やりがいにもつながります。それに、任天堂さんから信頼されて、安心して仕事を任せてもらっているのも嬉しいです。もちろん、自分の足りないところを指摘してもらったり、すごく勉強にもなっているので、そういう部分でもやりがいを感じています。

京都スタジオの特徴はどんなところでしょうか?

リム東京本社に比べると人数が少ないぶん、アットホームな雰囲気がありますね。今、スタッフは30人を超えたくらいで、全員の顔と名前はわかりますし、一度も話したことがない人はいないんじゃないでしょうか。ここ数年で新卒入社が増えているので、若いスタッフも比較的多いです。

清成あとは、季節行事が多いところでしょうか。コロナ禍以前は、お花見やハロウィン、クリスマスなども行っていました。ここしばらくは密になる行事は控えていますが、そんな中でできることはないかと年末にビデオ会議で「オンライン納会」を開催したこともあります。

京都スタジオで働くうえで、求められるスキルや人物像を教えてください。

リム任天堂さんから依頼されているのは、こちらからの提案も含めての制作業務なので、デザイナーとして仕事をしていくうえで、提案力や想像力は求められると思います。それと、ゲーム作りはチームプレイでもあるので、コミュニケーション力も欠かせません。向上心や、まわりにいい影響を与えることも大切ですよね。

高橋京都スタジオは昨年、設立10周年を迎えました。ですが、まだまだこれからだと思っています。そういった意味で「自分が京都スタジオを引っ張っていく」というくらいの、強い気持ちを持った人が来てくれると嬉しいです。

清成できれば、スケッチが描けてモデリングもできる人が理想なんですが、どちらかといえばスケッチが大事かなと思ってます。基本的なデッサン力やデザイン力があれば、3Dのスキルは入社後でも身に付けられます。「3Dはそれほど経験がないから...」と躊躇している人も応募してみてほしいですね。

皆さんは今後、京都スタジオでどのような存在になっていきたいと考えていますか?

高橋プロジェクトマネージャー的なポジションとして、スタッフのみんなが働きやすい環境を作っていきたいです。一人ひとりの要望や相談に、すぐ対応できるような関係性を築いていけたらと思っています。いい意味で僕をどんどん利用してほしいですね(笑)

リム僕は元々、3Dモデル作りが好きで、どちらかというと「職人タイプ」の人間です。でも、班長を経験したことで、デザイナー時代よりも広い視野で仕事に向き合うことができるようになりました。自分のできること・できないことがハッキリとわかるようになりましたし、できないところを補うためにどんな努力がいるのかにも気付けました。だから、身に付けてきた経験や技術を社内に共有したりして、デザイナー同士をつなぐコーディネータ、架け橋みたいな存在を目指したいです。

清成私は、自分の得意分野でない案件が来たとしても、そのタイトルが持つアートの方向性を素早く把握できるようなデザイナーになりたいです。そのために、センスや知識などを鍛えていきたいですね。班長としては、コミュニケーション力やマネジメント能力をもっと伸ばして、一緒に働く仲間の能力をもっと引き出せたらと考えています。

最後に、入社を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

清成自分をさらに高めたい方、スキルアップしたいという方にはおすすめの環境だと思います。社内は若手も多く向上心に溢れたメンバーが揃っていますし、任天堂さんとお仕事をする中で刺激を受ける機会が多いので、興味のある方はぜひご応募ください。

高橋ものづくりが好きで、まわりのみんなとコミュニケーションを取りながら作り上げていくことが好き、という方が来てくれたら嬉しいですね。京都スタジオに良い意味で刺激を与えてくれる方は大歓迎です。

リム京都スタジオで海外の出身は僕だけなんです。だから、海外の方も来てくれたらいいですね(笑)

本日はどうもありがとうございました。

※感染症対策として
ビデオ会議形式にてインタビューを実施しました。