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現場フロントライン vol.6

マップモデラー編

壮大な世界観を生み出す現場とは

本日は、東京オフィスと京都スタジオからマップモデラーの皆さんにお集まりいただきました。まずは、東京オフィスの皆さんから自己紹介をお願いします。

安立私はゲーム専門学校で2Dイラストや3DCGを学んでいて、卒業後はゲーム業界に就職したいと考えていました。ちょうど就活の時に、モノリスソフトが開発した『ゼノサーガ エピソードⅠ』や『バテン・カイトス』(ゲームキューブ)のゲーム画面や設定画を目する機会があり、その迫力と素晴らしさに惹かれ入社しました。

下玉利僕も、安立さんと同じくゲーム専門学校出身で、3DCGを学んでいくうちに背景制作に興味をもちました。世の中には存在しない空想上の世界を自分でも生み出したいと考えていたところ、当時『ゼノサーガ エピソードII』を見て、このSF的な世界観を制作しているモノリスなら実現できるのでは、と思い門を叩きました。

油井私はもともと高橋監督の大ファンで、『ゼノギアス』をはじめ『ゼノサーガ』シリーズをプレイしていたのですが、転職のきっかけは『ゼノブレイド』(Wii)です。その圧倒的な世界観に引き込まれたのと同時に、この広大なフィールドをどのようにして作り上げたのかに興味を持ち、入社しました。以前は別のゲーム会社でキャラクターモデラーとして働いていました。

村上僕も油井さんと同じで『ゼノブレイド』がきっかけです。「自分もこのマップを作りたい!」と思って転職しました。僕も別のゲーム会社でシネマティックムービーの制作を担当していました。

本宮私は、大学は工学部だったのですが、ダブルスクールでCGの学校にも通っていました。卒業後ゲームの仕事をするようになり、さまざまなプロジェクトに参加した後、コンシューマーのメジャーなタイトルの開発に関わりたいと思い、入社しました。

それでは、京都スタジオの方、自己紹介をお願いします。

矢頭私は、前職では、ゲームのキャラクターのアートや2Dデータなどを経験し、主に背景のアートやモデル作成をしていました。モノリスソフトでは、オリジナルタイトルと任天堂タイトルの開発に関われる点に魅力を感じ、転職してきました。

リム私は、マレーシアから日本に来たのですが、ゲーム専門学校でCGを学んだ後、ゲーム会社に就職し、コンシューマーゲームのバトルマップや街などを制作していました。モノリスが一部開発を請け負った『どうぶつの森』シリーズ、『ゼルダの伝説』シリーズのような、幅広い年齢層に向けたゲームの開発もしてみたいと思い、入社しました。

マップモデラーの皆さんは、普段はどのようなグラフィックツールを使っているのでしょうか。

安立主にMayaとPhotoshopです。作るデータ次第ですが人によってはZBrushやQuixel、Substance PainterやSubstance Designerも使用します。

下玉利表現の幅が広がりましたよね。素材を取り込んで、加工しなくてもテクスチャをイチから自由自在に作れる。

村上『ゼノブレイド』シリーズのような広大なフィールドでは、その広さに比例して作業工数も膨大なんです。なので、効率化を図りながらクオリティを上げていくためにも、Houdiniの機能であるアセットの大量配置だったり、地形を自動で生成するTerrainツールなど、プロシージャル技術を活用できる点は大きなメリットですね。

本宮パラメータの設定変更をするだけで生成される。これは本当に助かります。手作業でその都度作っていくやり方だと、後から調整を加えることになった場合、一つひとつに手を入れていかなければならないので...、これは本当に骨の折れる作業なんです。

人々を魅了するマップに必要なもの

マップモデラーとして、日々どのようなことが求められているのでしょうか?

油井マップモデラーに任される仕事の範囲は会社によって違うのですが、モノリスの場合、モデリングであったり、質感の設定、フィールド担当になればレイアウトや環境設定、ライティングなど多岐にわたる作業が発生します。基本的には、設計書類やアートなどを元にディレクションを受けながらモデル作りに入っていくのですが、地形の細かい景観やアートの足りない部分などは個人の裁量に任されることになります。となると、いかにイメージを膨らませて世界観とマッチするデザインを時間内に完成させるかが鍵となるんですが、この時に自分の引き出しの中身をできるだけ増やしておくことが重要になってくると思います。

本宮このマップで"求められていることはなにか"というのを的確にとらえることであったり、"よりカッコよく、よりリアル"に作ることであったり。

リム誰が見ても魅力的と思える世界を創り出すには、創造力であったり、センスを磨く必要があります。これは一朝一夕にできることではないので、そういったスキルを鍛えるためにも、アイデアの素となる情報を日頃から自主的に集めることや、技術力の向上に進んで取り組むことが求められると思います。

下玉利すごく広いフィールドマップを担当した時なんかは、それこそ気の遠くなるような作業量になるんですが(笑)、そんな時はひたすら根気よくコツコツと。ポジティブに、前向きに仕事に向き合うモチベーションも大事ですね。

作業の工程としてはどのように進めていくのでしょうか。

下玉利そうですね。だいたい2通りに分けられると思います。一つ目は、コンセプトアートを元にざっとモデルとなるマップを作成し、細部を作りこんでいく方法です。作っている途中に「こういう見た目にしたい」と提案したり、実機上で操作しながら、広さの感覚や3Dでの見え方などを確認して、そこから本格的に作り込んでいきます。もう一つは、マップをある程度作りこんでしまうケースです。これは「ビジュアルの核」となるものが既に決まっている場合なんですが、その核から派生するほかのデザインイメージをどんどん固めていきたいので、先行して細部のマップを作りこんでしまいます。そうするとプランナーもオブジェクトを仮配置できるようになるので「遊び部分」の検証する時間が長くもてるんです。あとはひたすら作りこんでいく作業が続きます。

村上「魅力的なデザイン」もそうなんですが「遊びやすいゲーム性」というのはどの職種のスタッフも意識しているように感じますね。あとは、僕が作業の工程で心がけていることなんですが、段階ごとに俯瞰してチェックすること。ゲームを全体として見た時にクオリティの差が出ないよう、足並みを揃えて作業を進めるように気を付けています。
ユーザーに「あれ?ここの作りだけ何かおかしい」と思われては恥ずかしいですから。

モノリスのマップはユーザーさんからも高く評価されていると思いますが、どういったところでその「強さ」を感じますか?

安立自分で言うのもなんですが、マップ部門全体の技術レベルが高いと思います。自分の担当したものが出来上がった時にはマップモデラー同士で「これどう?」などと見せ合ったり、作り方を教え合ったりしている。そうやってお互いに切磋琢磨しながら技術を高めていることが、強みになっているんだと思います。

リムプロジェクトが違っても、美しいもの、クオリティの高いものを常に追求していこうとする意識が高いんだと思います。たとえ細かな部分でも、こだわりを持つことをムダととらえずに、決して手を抜かないところがありますね。

村上僕は、フィールドを歩くだけでワクワクするような、そんな世界観作りを心掛けて制作してるんですが、モノリスは制作の自由度が高いと思います。それぞれが担当している部分でできる限りの力を発揮して、説得力のある絵作りであったり工夫を重ねているのが見て取れるので、僕も負けられないぞ、って思っています(笑)

とくにやりがいを感じるのはどんな時ですか?

本宮やっぱりプレイしたユーザーの方々から高い評価をいただくと、それがモチベーションになりますね。ゲームとは縁遠くなってしまった人から「それ子供と一緒にプレイしてるやつだ」と言われたりすると、もっと頑張ろうっていう気持ちになります。

下玉利完成したマップを見たプランナーから「この地形は良い感じだから、何か遊びを盛り込みたいよね」と言ってもらえた時は、自分の作り上げた世界が認められたようで嬉しいですね。

矢頭広い範囲のレイアウトであったり、大まかな地形をイメージしながら世界観を構築した結果、自分が思い描いたとおりの空間演出ができた時なんかは、喜びが大きいですね。「やっとできた~」って(笑)

油井自分が担当したマップですごく重要なイベントシーンが始まると、とても嬉しいですね。とはいいつつ、背景が悪目立ちしてはいないか、違和感なくイベントシーンとして完成しているかどうかをチェックしてる自分がいるんですけれど(笑)

技術情報の交換であったり、スキルアップのために日頃から行っていることはありますか?

本宮社内のチャットツールに、プロジェクトの垣根を越えて閲覧できるグラフィック関連のチャンネルがあって、そこで最新のニュース記事であったり技術系の情報を交換して、資料としてみんなで共有しています。他にも「データがうまく出力できない」といったような問題はTAが解決法をまとめてくれていたりします。

油井終業時間の19時以降は開発機材が開放されているので、繁忙期でない時には自分も活用させてもらっています。チャットツール上で話題になっていたツールを詳しく調べてみたり、普段は使うことのない2D系のツールを気分転換に使ってみたり。

村上僕も、その時間を使ってHoudiniなどを触って新しい技術を少しずつ取り入れるようにしています。自宅とは違って、機材環境も揃っているので集中できますし。

矢頭京都スタジオでも自習時間として利用してますね。繁忙期でない時は、不定期ではありますけど、実務ベースのワークフロー紹介であったり、デッサンや色彩の勉強会なども行ったりしています。

日々の「ものづくり」を支える力

マップモデラーとしてのこだわりを教えてください。

下玉利僕はフィールドを探索する楽しさは、少し離れて見た時の中~長距離からの眺めにある、と考えています。プレイヤーとしてフィールドに立った時の、その先の視点、対象としていたものに近づいた時はもちろん、俯瞰して全体を見た時の見た目をとくに重視して制作しています。

本宮私は、ゲームの世界にどうリアリティを持たせるか、というところにこだわっています。ユーザーに現実世界と同じような感覚をもってもらうには、やはり自然にあるものをしっかり観察して取り入れることが、ゲームの世界のリアリティにつながると考えています。そういった情景を取り入れるために、建物の劣化具合や草木が生い茂る様子、錆びたパイプなどを撮影して参考にしています。個人的には、廃墟のような、人工的な建造物が自然に取り込まれていく感じがする、あの独特な雰囲気が好きですね。

矢頭わかります。そこだけが時間が止まったような不思議な感覚ですよね。そういった意味でいうと、私も人工のものがうまく融合しているものに惹かれます。私の場合はリゾートホテルなんですが。建物自体が美しいのはもちろんですが、その立地に合わせて、たとえば建物からビーチまでの距離や、そこに至るストロークに何をいくつ置くかなど、そういったところに建築家の方の緻密に計算された景観デザインを感じますね。

安立マップモデラーとしてはすごく気になるところですよね。私も、街や建物で人の流れがどのように計算されているか、つい観察してしまうところがあります。動線がグチャグチャになっているのを見ると、「この道とこっちの道をつなげたほうが、人の流れがスムーズになるのに」と考えたりなんかして(笑)

リムその時期に自分が担当している制作物があったりすると、目に留まることが多いように思います。看板のオブジェクトを担当してた時は、標識の前に立ち止まってジッと観察していました。周りは「何だろう、この人」と思って見ていたと思います(笑)

前職はマップモデラーではなかった方もいらっしゃいますが、不安などはありませんでしたか?

矢頭そうですね、私の場合、Mayaの経験はなかったんですが、入社後に十分なトレーニング期間を設けていただいたのでスムーズに仕事になじめました。

油井私も仕様書やマニュアルを見ながら、ツールに慣れる期間もしっかりもらえたので、技術面での不安はとくにありませんでした。ちょうど『ゼノブレイドクロス』(Wii U)の開発の時期だったので、広大な背景をどうやって構築しているのか、その本質を間近で見ることができて毎日が新鮮だった記憶があります。

限られた時間の中で必要な作業量や目指すクオリティを達成するのは、大変なことではありませんか?

矢頭目標に向けてどれだけ達成できそうなのか、日割りで細かく計画して、進捗度合いを自分でチェックしています。「時間があとどれぐらいあるか」は常に意識していて、自分でタスク管理をしていると、優先順位がつけやすいですね。

リム私の場合、とりあえず7割ほどの完成度を目標に一旦作業を進めて、残りをスケジュールの後半か、別に設定したブラッシュアップ期間に回したりしています。ホットキーを登録したり、データを常にきれいな状態にしておくことも、意外と作業の効率化につながるんです。

安立コミュニケーションの面も重要で、周りとの「報告・連絡・相談」であったり、スケジュールについて話し合うことは多いです。間に合わないことがダメというのではなく、そうなる前に相談すること。残業して取り返すのか、作業が早く終わった人に請けもってもらう、などの解決の道を探すことが大事なんです。

働き方に対する意識が社内で共有できているのですね。

油井クオリティを追求しながらも、ムダな工数は減らしていこうという意識をみんなが持っていますね。うちは子供がまだ小さいのですが、繁忙期でない時なら自分が保育園の送り迎えをできることもあり、とても助かっています。

矢頭そうですね。子供の行事なんかで有給休暇を取得したい時とか、業務時間の調整をお願いしたい時などは相談に乗ってくれるので、安心して働ける会社だと思います。

最後に、入社を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

リムゲームマップには、草原や森、山であったり川であったり、そういった自然物だけではなく、大きな街から小さな街まで幅広いフィールドの種類があります。どのマップにもそれぞれに作る楽しさがあるので、モノリスソフトの開発環境で自分の思うマップを完成させて欲しいですね。

村上今まで経験を積んでこられた方で、スキルを発揮したい、向上したいという方に、是非門を叩いて欲しいですね。ご応募お待ちしています。

本日はどうもありがとうございました。

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