このページは、リクルート活動の一環として
外部のインタビュアーに委託し、取材を行っています。

スタッフインタビュー

シナリオプランナー編

世界の広がりを描く仕事

本日は「シナリオプランナー」の皆さんに来ていただきました。
自己紹介をお願いします。

河野 クエストなどのゲーム内テキスト全般を担当しています。
僕は、学生の頃に『ゼノギアス』をプレイして、
壮大なシナリオと奥深い世界観にとにかく感動しまして、
それをきっかけにゲーム業界を目指し、デバッガーからスタートして
ソーシャルゲーム系の制作会社でキャリアを積んだ後、
5年前にモノリスソフトの一員になることができました。

佐藤 クエストのテキストやイベントシーンの作成を担当しています。
私の場合は、心に残るゲームが『ゼノブレイド』でした。
大学では視覚デザインを学んでいましたが
クエストなどのシナリオを書くことに興味があって、
挑戦してみようという思いでモノリスソフトに応募しました。
新卒で入社して現在6年目です。

岩本 モノリスソフトにプランナーとして入社し、今年で18年目になります。
街の世界観設定や、クエストなどのシナリオ制作の仕事を経て、
プロジェクトを統括するポジションとなり、
現在はシナリオプランナーの枠を超えて
ゲームの骨格を決める役割も務めています。

「シナリオプランナー」とは、
どのようなお仕事をしているのでしょう?

岩本 僕のいるプロジェクトの場合ですと、
メインシナリオをもとに、ゲームの世界観を広げていくのが
シナリオプランナーの仕事になります。

なので、まずはメインシナリオを読み込み、世界観を固める作業からスタートします。
その時点ではまだプロットの段階で、シナリオの全てが書かれているわけではないので、
大まかにイメージされたキャラクターやフィールド、
街などの情報を手がかりにして、ゲームでの細かい設定を考えはじめたり、
メインシナリオの補助や拡張をしたりしていきます。
大きく分けると、以下の7つの作業に分けられますね。

シナリオプランナーの主な仕事
  1. 1 世界観を固める
  2. 2 キャラクターを固める
  3. 3 メインシナリオの補助・拡張
  4. 4 街を考える
  5. 5 クエストを考える
  6. 6 テキストを書く
  7. 7 イベントシーンの監修・作成

※プロジェクトによって担当する範囲が異なる場合があります。

河野 例えば、その世界の中にいくつか国があるとしたら、
Aという国はどういう文化が育まれてきたのか、その中にある街はどのような構造で、
建物はどのような様式になっているのか、
お店の種類や数、そこに暮らす人の数や構成は、Bという国は、Cという国は・・・
などというように考えていきます。

佐藤 キャラクターについても、その人物がどのような個性を持っているかを深掘りし、
「こういう性格だから、こういう動きや発言をする」というように、
それぞれの人物像や行動をより具体的なものにしていきます。
主要キャラクターだけでなくNPCについても、名前はもちろん、
どのような人物なのかという設定も検討します。

そういった前提条件となる詳細が固まってから、ようやくクエストを考えたり、
イベントのシナリオやボイス用のセリフを書いたりしていきます。

具体的にはどのような部分のテキストを書くのでしょうか?

河野 メインシナリオ以外の、ありとあらゆるテキストを担当しています。
主要キャラクター同士の会話、NPCとの会話、そのNPCの名前、
クエストのシナリオや説明文、チュートリアルの説明文、
フィールド探索やバトルのボイス台本など、
合計すると1タイトルで何十万字、もしくは、それ以上になることもあります。

岩本 ただ、「シナリオプランナー」という名前の通り、
執筆の他にプランナーの仕事も担当します。
キャラクターの動きを考えてモーションやエフェクトを発注したり、
クエストの作成ではシナリオだけでなく、遊びの部分も一緒に考えます。
テキスト作成に留まらず、ゲーム開発にも携わることができる職種です。

佐藤 他にも、シナリオプランナーがイベントシーンの演出を検討し、
データ作成まで行うこともあります。
ストーリーやクエストで、フキダシなどの会話ウィンドウで進行するイベントは、
プロジェクトによってはアニメーターではなくプランナーが担当しています。

カメラワークや、フェイシャルと呼ばれるキャラクターの表情、
話すしぐさのようなモーション、BGMのタイミングなどを決めて
専用のツールでデータを作成していきます。

NPCの人間らしさ

日々の業務では、どのようなことが求められているのでしょう?

河野 僕らの作業と並行してメインシナリオもさらに磨きをかけているので、
そちらに変更が生じた際は柔軟な対応が求められます。
膨大なテキストから変更による影響が出る箇所を全て調べ上げ、
メインシナリオとの整合性に問題が出ないよう調整していきます。

佐藤 テキストの調整は他の要因でも発生します。
とくにフィールドは日々作り込まれていくので、
変更された地形に特徴的な部分があれば、
そこを活かすようなシナリオに反映しています。

岩本 締め切りを守ることも重要なミッションの一つで、
例えば、ボイスの収録日が決まっていたら、
収録日から逆算しスケジュールを切って、収録したいセリフをすべて考えます。
ボイスがないと、その後に控えるイベントアニメーターも
作業できないので、責任重大ですね。

この他にも、海外版がある時はテキストを翻訳する「ローカライズ」の
作業スケジュールに間に合わせる必要もあります。

とてつもなく作業が膨大で多岐にわたるのが伝わってきますね。

岩本 はい。ですから万が一、後から調整が必要になったり、
進行が間に合わない可能性が出てきたら、早めに相談することが大切です。

河野 個人的にも、相談することは本当に大事なことだと思っていまして。
シナリオライティングというのは孤独な作業になりがちなので、
自分でも気づかないうちに視野が狭くなってしまうことがあります。
こういう状態になると、往々にして執筆が行き詰まるものです。

でも、ゲーム開発はチームで行っていますから、
そういう時は抱え込まず、チーム内の誰かに相談すべきだと考えます。
シナリオ制作が遅れてしまうと、シナリオに必要なアセットの発注や
先ほど話にもあった通り、ボイス収録や海外翻訳のスケジュールにも影響するので、
だからこそ一人で抱え込まず、早めに誰かに相談するようにしています。
岩本さんにも何度相談したことか・・・。

岩本 そうだね(笑)。

河野 その節はありがとうございました(笑)。

テキストを幅広く担当されていますが、
執筆ではどのようなことが求められるのでしょうか。

河野 テキストとボイス、それぞれで適切な表現を模索することを大事にしています。
文字を目で追うのと、声を聞くのとでは、同じ言葉でも印象は異なるので。

ボイスの場合は自分で声に出してみて、違和感がないようかなり意識しますね。
とくにメインキャラクターたちのセリフをこちらで書く場合には、
人物の性格をしっかり把握したうえで口調や語尾を統一するようしています。
キャラクターごとの「僕」や「私」といった人称代名詞の設定も、
資料で管理して表記揺れを防いでいます。

岩本 シナリオでは3Dでどう表現するのかを見越して考える必要があります。
例えば、その場で起きていることを全てセリフで説明してしまうと、
せっかくの3Dの強みを活かせないんです。

また、モデルやモーション、オブジェクト、エフェクトなど、
各要素の作業内容やコスト感もある程度は把握していないと、
シナリオに書いても後から「これは実現できないね」ということになってしまいます。
考えたシナリオをゲームへ実装するには他職種への働きかけも必要になりますし、
ライターだけでなく、プランナーとしての視点や行動も求められます。

佐藤さんはイベントシーンの作成も担当していますが、
どのようなことを意識しているのでしょうか。

佐藤 NPCが大勢登場するシーンでは、
一人ひとりの「らしさ」をどう出すかを意識しています。

私たちが作るイベントでは汎用のモーションを使っているので、
ただ動きを割り当てていくと、みんな同じような人に見えてしまうんです。
そうならないように、事前にそれぞれの人物像を描いておき、
リアクションの取り方も、すごくオーバーな動きをする人や、
全く動かない人、いつも険しい顔をしている人など、
汎用モーションでも使い分けをしながら
セリフ以外の部分でもNPCの個性が感じられるようにしています。

河野 いかに自然に見せるかは工夫していますよね。
例えば、その場にいるNPC全員が振り向くシーンでも、
みんなが一斉に振り向くのではなく、
振り向く秒数をフレーム単位で少しずつずらしたり。
こういったところもシナリオプランナーの腕の見せどころだと思います。

お仕事をするうえでの「こだわり」を教えてください。

河野 クエストの作成では、
プレイヤーに"やらされている感"を与えてしまわないよう、
クエストの狙いや意図を明確に持たせるようにしています。

クエストをクリアした時に、
「なるほど、そういうことだったのか」と
その世界やキャラクターに対して
何か気付きが得られるように意識して設計していますね。

岩本 この辺は、シナリオプランナーがゲームシステムをよく理解したうえで、
クエストのシナリオと遊びを一緒に考えているので
クオリティがぶれにくいところだと思っています。

佐藤 私は、自分の意見や考えを正直に伝えるようにしています。
シナリオを読み込んでNPCへの理解が深まっていくと、
「ここのセリフはちょっと違うんじゃないか」と感じることもあって。

その違和感が合っているのか間違っているかも自信がなくて、もやもやしながらも、
黙って見過ごすのも嫌なので、思いきって相談しています。
河野さんとも、気になった部分はよく話し合いますよね。

河野 そうですね。意見を出し合うことは大事にしています。
自分の考えと異なる意見であってもちゃんと耳を傾けて、
そのうえでフィードバックを反映するか、
反映しないかを話し合い、お互い納得したうえで決めています。

岩本 僕は、RPGでは世界の横の広がりを持たせることが重要だと思っていて。
クエストやNPCの会話のような、メインシナリオから外れた部分は
お客様の遊び方によっては、気づかれない場合もあるんです。

でも、そうした広がりをたくさん用意しておくことで、
一つの太い世界観ができ上がると思っています。
自分たちで作業を増やして自らを苦しめることになるけど(笑)、
妥協はできませんから。

皆さんがとくにやりがいを感じるのはどんな時ですか?

河野 全ての担当テキストを書き終えた時ですね(笑)。
物量が物量なので、やりきった感が半端じゃありませんよ(笑)。
あとは、自分が書いたシナリオのイベントシーンを最初に見て、
頭の中で思い描いた通りの動きや演出になっていた時ですね。

佐藤 自分の考えたシナリオが「こうなったんだ!」と感動しますよね。
文字だけの表現から、モーションやボイス、音楽が付く過程を経て
映像という形で目の前に現れて。

私もボイスを考える時は声に出して口調を確かめるのですが、
声優さんが演じられると、命が吹き込まれるというか、
考えていたものよりも当然素晴らしくて。
いろんな人の手が加わって1本のゲームが完成していることを実感します。

河野 あとは、やはりお客様の反応を目にした時ですね。
これはライターによって考え方が違うので一概に正しいとは言えませんが
僕は、自分が書いたシナリオが、読んでくれた方にどう評価されるかが
ライターの技量を測る一つの指標だと考えています。
ですので、試験の成績発表を確認するような気分で、
プレイヤーの皆さんの反応を受け止めています。
たとえ厳しい意見があっても、反省して自分の成長の糧にすれば、
次のシナリオへと活かせますからね。

佐藤 私も「このクエスト面白い!」とか「このNPC好き!」という
声を見ると、やりがいに繋がります。

岩本 僕は「面白くなるぞ!」という確証を得られた時ですね。
シナリオプランナーをはじめ、自分たちで
街、クエスト、バトル、フィールドなど全てを設計しているわけですから、
それがうまくかみ合っていれば、当然、面白くなっているはずなんです。
実際に試作版で隅々までテストプレイして
全部をうまく回せたと確信した時に、やりがいを感じますね。

シナリオプランナーが目指すもの

モノリスソフトで働いて成長できた部分はどのようなところでしょうか。

佐藤 私はゲーム開発に関する知識がゼロの状態で入社したので、
全ての面で成長させてもらったなと思っています。
シナリオ制作でいうと、
初期の頃に書いたシナリオを思い返すと、
その場面で語りたいことが明確でなかったりして。

でも、周りの先輩にしっかり理解できるまで質問をして、
アドバイスをもらい、語るべきことの軸をぶれずに意識できるようになり、
シナリオやイベントの作り方が身に付いてきたと思います。

河野 モノリスソフトに入社して、
開発規模の大きな家庭用ゲーム機のタイトルに携わることで、
テキストを書いた量も自分のキャリアでは過去最大になりました。
おかげで「家庭用ゲーム機でのシナリオやテキストは、こういうふうに書くんだ」
という知見は間違いなく得られましたし、自信が付いたと思います。

皆さんの今後の目標を教えてください。

河野 入社当時から、いつかメインシナリオを1本書き上げるという目標があって、
そのために普段からさまざまなトレンドをリサーチしながら、
自分の書くシナリオにどう活かすかを常々考えています。

シナリオやキャラクターが話題になっている作品はすぐにチェックして
どうして人気なのか、どこが面白いのか、なぜ話題になったのかなど、
自分の中で整理、考察することで、感性が古くさいものにならないように、
かなり気を付けています。

佐藤 私は、もっと魅力的なキャラクターを作ることが目標です。
「あのNPCに会いに行きたい!」と思えるような、
プレイヤーの心に残るキャラクターや物語を考えられるように、
人間観察をしたり、ドラマや映画、漫画に触れたりすることで、
「どういったセリフを言う時に、どんな表情をするのか」、
シチュエーションやカットも含めて、
自分の中にストックしています。

岩本 僕の目標は、フィールドとバトルとクエストをもっと融合させることです。
これまでも努力はしていますが、まだまだできることがあると思っています。
完全なゲームのサイクルを目指して、シナリオやゲーム性をトータルで考え、
さらに面白いものを作っていきたいです。

この会社に入ってよかったことは何ですか?

佐藤 私はやっぱり、楽しくゲームを作れていることです。
もちろん作業の物量が多く、大変な時期もありますが・・・(笑)。

プロジェクトの繁忙期には「お互い頑張ろう」と声をかけてくれたりして
「皆で乗り越えるぞ!」という気持ちになるので励まされます。

チームの全員がよいものを作ろうとしている空気を感じながら
マスターアップを目指していくので、ものづくりに専念できますし、
成長できる機会ももらえているなと感じています。

河野 そういうチーム内の気遣いや空気感があるので、意見を言いやすいですよね。
僕たちの提案を受け止めて、しっかり検討してもらえる環境といいますか。
もちろん、コストやスケジュールの範囲内ではありますけど。

僕が、モノリスソフトに入ってよかったことは
3Dモデルやボイスなどの表現の幅広さを存分に活かして仕事ができることです。
前職のソーシャルゲームから、家庭用ゲーム機での開発経験を経て、
自分が書くシナリオの幅がかなり広がったように感じます。

最後に、入社を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

河野 とにかくモノリスソフトのゲームが大好きで、
「モノリスソフトでこういうシナリオを書きたい!」などの
強い欲望と野心のある方は大歓迎です(笑)。
確かにライティングの技量も不可欠ではありますが、
やはりモチベーションの強さが何より一番大切だと僕は思います。

佐藤 物語などいろいろなことを考えるのが好きで、
周りと連携しながら、ゲームに深みを出していきたいという方に
ぜひ応募してみていただきたいです。
異なる角度からの見方を提示したり、たくさん意見を交わしたりして
一緒に心に残るものを作れたら嬉しいです。

本日はどうもありがとうございました。

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