このページは、リクルート活動の一環として
外部のインタビュアーに委託し、取材を行っています。

スタッフインタビュー

インゲームアニメーター編

キャラクターに命を吹き込むために

本日は「インゲームアニメーター」の皆さんにお集まりいただきました。
自己紹介をお願いします。

生井 僕は、プレイヤーがゲーム内で操作するキャラクター
いわゆる「プレイヤーキャラクター」のアニメーションを担当しています。
人の動きをデジタル化するモーションキャプチャーを行う際には、
段取りなど、現場の指揮をとる進行役も務めています。
前職もゲーム業界でアニメーターをしていましたが、
『ゼノブレイド』シリーズなどモノリスソフトのタイトルが大好きで。
想いが叶って入社し、現在4年目です。

吉澤 僕も『ゼノブレイド』シリーズの多彩な世界観に魅了され、
新卒でモノリスに入社して現在3年目です。
生井さんと同じくプレイヤーキャラクターを担当しています。
僕は元々、理工系の大学で自然現象をCGで再現する手法を学んでいましたが、
エンターテイメントで使用されるCGにも興味が湧いてきて。
ダブルスクールでCGの専門学校にも通い、
そこでアニメーションやモデリングを学びました。

フェホ 入社4年目です。主に敵キャラクターを担当しています。
ブラジル出身で、美術教師やCM制作で2Dアニメーションなどを経験した後に来日し、
ゲーム業界でアニメーターとして働くようになりました。
私も昔からモノリスのゲームが好きで、
『DISASTER DAY OF CRISIS』をはじめ
『ゼノブレイド』シリーズなどをプレイしていました。

高橋 入社6年目です。私も前職ではゲーム会社でアニメーターをしていました。
主人公、脇役、街の人など、敵以外のキャラクター全般を担当しています。
今は主任という立場で、現場の統括的な役割も行っており、
仕様に対してどのようなデータが必要なのかを打ち合わせたり、
その結果に応じて作業の指示やクオリティチェックをしてします。

「インゲームアニメーター」とは、
どのようなお仕事をされているのでしょうか?

生井 プロジェクトによって多少の違いはありますが、
基本的には、プランナーが作成した仕様書をもとに、
キャラクターモデラーが作成した人物やモンスターの3Dモデルに
ゲーム内での動きを付けるのが主な仕事です。

フェホ 使用するツールはMayaが中心で、あとは内製ツールですね。

高橋 3Dモデルに動きを付ける際は、まずリグを設定します。
この設定はモデラー側で行う場合もあるようですが、
モノリスソフトでは主にアニメーター側で作業をしています。

生井 最初は、基礎となる「待機ポーズ」を作成します。
これは人物でいうと普通に立っているだけの状態です。
そこから「歩く」「走る」「ジャンプ」などの基本的な動きを作り、
さらに「攻撃モーション」などの複雑な動きへと
バリエーションの幅を広げていきます。

吉澤 僕が担当しているプレイアブルなキャラクターでは、
動きのバリエーションもかなり多くなります。
装備する武器ごとに動きも変わりますし、
振り向くだけの細かいものでも何パターンもあるので。

高橋 私たちの作業はプロジェクト全体でいうと後半の工程になってくるので、
早い段階でプランナーへ仕様のヒアリングをしたり、
アニメーター側から動きの提案をしたりと、
細部のイメージを早めに固めていくようにしています。

吉澤 開発を進めるうえでデータを実装し、
ゲームを動かせる状態にすることも重要なので、
先に仮データを作って、早めにプログラマーに渡す必要があります。
概ね仕様に沿ったアニメーションを作り、先行して実装してもらい、
その後にクオリティを詰めていく作業をしていきます。

日々の業務では、どのようなことが求められているのでしょう?

生井 仕様書は、図の解説が付いているものや、
「剣を高く掲げてから元の体勢に戻る」というような
文章でまとめられたものなどさまざまです。
これらの意図を汲み取って、どんなアニメーションにするかを整理し、
一連の具体的な動きを構成する必要があります。

フェホ こちらから動きの方向性を提案する時に
相手にわかりやすく伝える工夫も大切で、
簡単なスケッチを描いて説明したり、
制作途中ならスクリーンショットを取って、
その上からペイントツールで
「この腕の動きをこの角度に」などと書き込んだりもします。

ですが私の場合、攻撃された時の動きなんかは
「ギャー」とか「ワー」とか声を出しながら
実際に自分で動いてみせることが多いです(笑)。

生井 僕もです(笑)。
モーションキャプチャーの収録をする際、
アクターさんへの説明は自分で動いてみせているんですが
全力でキャラクターになりきるので、毎回ヘトヘトになります(笑)。

高橋 実際にキャラクターを操作した時の「手触り」のよさも大切です。
キャラクターの動作が直感的でわかりやすいか、
シチュエーションに合わせた動きになっているのか。
お客様が遊んだときにどう感じるか、という視点は求められますね。

吉澤 手触りは僕も大事にしています。
人の動きを付けるときも、現実の人間の動きをそのまま反映すると、
ゲームだと遅く感じてしまうことがあるんです。
遊んでいて気持ちのいい動きになっているかどうか、
特に意識して作っていますね。

フェホ 僕が担当する敵キャラクターの場合、
人間の動きではなく、動物的な動きをつける作業が多いんです。
人間だとある程度「こういう動きをするな」と予想ができるのですが、
動物の動きとなると、適切な資料を見つけて分析したり、
モンスターの場合は、それに加えてどういった動きをつけるのか
考察しながら作ることになります。

それぞれどういった動きにするのか
毎回考えてチャレンジするのはアニメーターの腕の見せどころでもあり、
そこが面白いところでもありますね。

吉澤 あとは、プログラム的なことになりますが
Pythonに対する理解があると役立ちますよね。
記述はできなくても、コードから動きが推測できるような
ロジカルな思考力があるだけでも、
内製ツールへの理解度がだいぶ違ったりするので。
これはアニメーターに限らず、他のセクションでも同じだと思います。

高橋 ここ数年のツールの進化によって、
アニメーターの手がけられる範囲や表現の幅は広がっています。
以前は、例えば動きの再生速度の調整など、
実装の組み上げはプログラマーにお願いしていたケースも
今ではある程度アニメーター側で作業するようになっていますね。

ゲームの中でのリアリティとは

お仕事をするうえでの「こだわり」や意識していることを教えてください。

吉澤 僕がとくに意識しているのは「もっともらしさ」です。
そのキャラクターならどう動くのかを考え、
個性に合わせてアニメーションを作っています。
例えば女性のキャラクターの場合、
足の開き方を少し変えるだけでも結構印象が違ったりするので、
その「キャラクターらしさ」が引き出せるように気を付けています。

生井 僕は遊ぶ人の気持ちになってものづくりをすることが大事だと思っていて、
とくにキャラクターの挙動にはこだわっています。
走り方のぎこちなさやジャンプの時に感じる引っかかりなど、
不自然な動きは極力解消できるよう、
テストプレイで繰り返しチェックしています。
走りやジャンプは何度も目にする動きなので、
細かいところも納得いくまで調整していますね。

フェホ 私は、誤解を生まないアニメーションにすることを大事にしています。
敵キャラクターの動きはゲームのギミックの一つなので、
その動きは、次のアクションの予兆なのか、
それともただ怯んでいるだけなのか。
お客様が遊んだときに困惑しないよう
動きに信憑性を持たせることを心がけています。

高橋 ほぼ言われてしまったのですが(笑)、
動きそのものに加えて、ゲーム全体をみたときに
「これは何を伝えるために必要な動きなんだろう?」ということを考えています。

アニメーションをチェックするときに、
その動きを単体で見ると不自然に見える場合があります。
でもゲームの進行上は直前にイベントシーンがあって、
そのストーリーに沿って見ると自然に見える。
自分はキャラクターの動きのみを作っているのではなく
その世界の全体を作っているんだ、ということを常に意識しています。

皆さんがとくにやりがいを感じるのはどんな時ですか?

生井 自分が手がけたゲームが世の中に出て、
それを遊んだ人が喜んでくれる瞬間ですね。
トレーラーが発表されたり、
タイトルが発売されたタイミングで感想が聞けたりすると、
この瞬間のために仕事をしてるといっても
過言ではないくらい嬉しくなります。

高橋 以前は、とにかくカッコいいアニメーションを作ることを目標としていたのですが、
ポジションも変わり、最近はプランナーやプログラマーに
近い作業を行うことが増えてきました。
よりゲームデザインに近いポジションで仕事ができるのは新鮮ですし、
すごく面白さを感じているところです。

吉澤 僕は、やっぱりカッコいいアニメーションを作っている時が楽しいです(笑)。
まだまだ経験が足りないと思っているので、試行錯誤しながら夢中で作っています。
とくに必殺技のような動きは、
まさにゲームのモーションを作っている実感が沸いてワクワクしますね。

フェホ いろんな段階で達成感を味わうことができますよね。
自分なりに良いアニメーションができた時や、
それを上長やプログラマーに褒めてもらった時だったり。
必ずしも楽しいことばかりではなく、
どう完成させようかと頭を抱えることもありますが、
それを越えれば、また成長できるわけで。
たくさんの成功体験が得られるのは嬉しいです。

モノリスソフトで働いて成長できた部分はどのようなところでしょうか。

フェホ Mayaの操作は熟達したと思います。
前職ではMotionBuilderでモーションキャプチャーを扱うのがメインで、
業務で本格的にMayaを扱うのはモノリスに入社してからだったんです。
まだまだ伸びしろはあると思っていますが(笑)。

吉澤 僕も、アニメーションのクオリティが上がったのを実感しています。
学生時代もMayaは触っていましたが、
単純に人間の動きを真似ただけではない、
ゲームの世界観に合ったアニメーションを
作ることができるようになったと思います。

生井 僕は、よく発言するようになりました。
モノリス社内の人たちはみんな話しやすいこともあって、
ミーティングでもどんどん意見を言える雰囲気なんです。
おかげでコミュニケーション力も向上したと思います。
周りに助けられているぶん、
自分が聞き上手にならなくてはと思い、
相手が安心感をもって話せるように相槌を打ったり、
リアクションをすることも心がけるようになりました。

高橋 ゲーム作りに対する見方がより幅広くなったと思っています。
大きなプロジェクトに携わるようになり、
多くの協力会社の方や、他セクションのスタッフと関わるようになったことで、
「たくさんの人に支えられてゲームが完成するんだ」
ということをあらためて実感するようになりました。
プロジェクトに参加している人たちに気持ちよく仕事をしてもらえる環境づくりや、
そのためにコミュニケーションが大事だという価値観が
自分の中に生まれたことは、成長した部分ですね。

理想のアニメーションを追い求めて

これから先、どのようなスキルを伸ばしていきたいと考えていますか?

フェホ ゲーム性を損なわずにキャラクターの個性をどう動きに反映させるか、
という部分をもっと究めたいと思っています。
吉澤さんも話していましたが、動きにリアリティを求めすぎると
ゲームの手触りが悪くなる場合があるんです。

以前、どういうアニメーションにしようか試行錯誤していたときに、
経験豊富な先輩から「最初のフレームを無くしたら?」とアドバイスをもらって、
その通りにしてみたら実装がうまくいったことがあって。
そういう発想にパッとたどり着けるようになりたいと思っています。

生井 僕は、制作のスピードをもっと上げていきたいです。
こだわりが強くなってしまった際、時間をかけ過ぎてしまう場合もあるので。
クオリティの高いアニメーションを数多く手がけられるように、
経験を積み重ねていきたいです。

吉澤 僕は、より人を魅了できる、
ダイナミックなアクションを作れるようになりたくて。
力を付けるために、たくさんの作品に触れて研究したり、
スケッチを描いたりしています。
アニメ班としても、アクションが得意な人は歓迎ですよね。

高橋 一人ひとりがスキルアップしていくのはもちろんですが、
アニメ班全体をどう強化していくかにも取り組んでいきたいですよね。
ポイントになるのは、知識の共有だと思っていて。

例えば、チーム内に「いまさら聞けない」という空気があると、
コミュニケーションが滞ってしまいます。
すると、せっかく役立つ知識を持っているのに一部の人しか知らなかったり、
ブラックボックス化が起きたりしてしまうんです。
そういうことが起こらない雰囲気づくりをして、
チームのレベルを底上げしていきたいと思っています。

この会社に入ってよかったことは何ですか?

吉澤 3Dモデルがどれも魅力的なので、
アニメーターとしてモデルを動かす楽しさを常々感じています。
モデル班の皆さんが、2Dのキャラクターデザインのよさを
こだわりぬいて3Dモデルに起こしていて、
「いいアニメーションを作らないと」とモチベーションも上がります。

生井 プライベートの時間がしっかり確保できるのはすごく助かりますね。
おかげで、話題になっているゲームタイトルもちゃんと楽しめて、
トレンドを追いながら開発に取り組めています。
もちろん、限られた時間の中できっちり仕事をする必要はありますが。

高橋 私は胸を張って誇れるタイトルに関われていることですね。
ゲームクリエイターとして嬉しいことです。

フェホ その喜びは大きいですよね。
ブラジルの両親に、私の名前がのったクレジットを見てほしいです。

フェホさんの応募の際のポートフォリオを
見せていただけるとお聞きしました。
作品をまとめるにあたってどのようなことを意識されたのでしょうか。

ポートフォリオより抜粋

フェホ 私の場合、重い剣を軽々と振り回す剣士を想定し、
このキャラクターが活躍するゲームの世界観を考えたうえで
アニメーションを作成しました。

プレイヤー目線のカメラの位置も設定して、
そこから動きがどのように見えるのか考えたり。
剣の重さを表現するために、一度踏み込んでから体を持ち上げ、
足、腰、胸、腕の順にぐんと引っ張るような動きにして。
そういった細かいところに気を配ったりもしましたね。

ありがとうございます。他の皆さんはいかがでしょうか?

吉澤 僕が就活をしていた当時、
「ポートフォリオ相談会」という対面イベントにモノリスソフトが参加していました。
そこで実際に働いているスタッフからプロ目線のアドバイスをいただき、
ポートフォリオをまとめる際の参考にしました。

高橋 私は前職もゲーム会社だったので、関わったタイトルごとに、
その時に自分は何を学び、何を得て、
そこでの経験が具体的にどのように成長したのかを書きました。

生井 学校の課題で制作したものだけではなく、
自分自身で課題を作って、自身の得意とするものや、
個性がわかるような作品をまとめていただけるとよいのではないかと思います。

最後に、入社を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

高橋 モノリスソフトが手がけるタイトルは、
規模の拡大とともに、開発期間が比較的長いものも増えてきました。
人生のうちの一定の年月をそこに捧げるわけですから、
自分が「この会社でゲーム開発に携わりたい」と心から思えるような
納得感をもって働けたほうがいいですよね。
モノリスが開発するタイトルの方向性と、ゲーム作りに対する自分なりの価値観が
マッチしているかどうかを検討したうえで、ぜひ応募してください。

生井 入社を検討されている方は、モノリスソフトが手がけたタイトルに触れて
「いいな」と思ってくれた方だと思うんです。
そのよさを理解して、それをさらに引き出すだけでなく
改善すべき点を把握して、よりよいものを作ろうとしてくれる方に
入っていただけたら嬉しいですね。
お互いの個性を活かしながら、一緒にゲームを作りましょう!

本日はどうもありがとうございました。

※感染症対策として
ビデオ会議形式にてインタビューを実施しました。

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