このページは、リクルート活動の一環として
外部のインタビュアーに委託し、取材を行っています。

2022.02.01 京都スタジオ スタッフインタビュー

『あつまれ どうぶつの森』キャラクターデザイン担当

「魅力」と「あるある」を詰め込んで

本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

福地よろしくお願いします。

まずは、自己紹介をお願いします。

福地『あつまれ どうぶつの森』の「キャラクター班」班長として、チームメンバーの育成とともに、運営やスケジュール管理などを担当しました。キャラクター班の仕事は大きく二つに分けられまして、一つは「NPC」と呼ばれるゲーム内に登場するキャラクター、『あつまれ どうぶつの森』の中でいう「どうぶつ」の3Dモデルの作成を行っています。もう一つは「プレイヤー」が身に着ける洋服や帽子などの「装備品」のデザインとモデル作成を行っていました。

任天堂さんと、どのように製品を作り上げていくのでしょうか。

福地最初に任天堂さんから方針が提示され、それをもとに最適な表現をキャラクター班で考えて作成していきます。アイデア段階から3Dモデルまで、複数の段階で任天堂さんとすり合わせしながら、完成まで進めていきました。

今作を進めるにあたっては、『どうぶつの森』シリーズを通してのキャラクターの良さはしっかり引き継ぎつつも、どうすれば今作ならではの魅力をより引き出せるのか、チーム内でものすごく意識しながら進めました。

例えば、NPCは手の形状を円柱状からフランスパンのような型にしたり、目鼻口のディテールにこだわり細かい調整をしたりなどですね。どうぶつたちは、『あつまれ どうぶつの森』の世界で何気なく暮らしているように見えるかもしれませんが、従来のシリーズよりもさらに親しみやすいキャラクターにするための、細かいこだわりがたくさん詰め込まれています。

装備品のほうはいかがですか?

福地装備品はNPCよりもお任せいただく部分が多かったですね。ですので、『あつまれ どうぶつの森』を好きなお客様が「そうそう、こういうのよくあるよね」と喜んでくれる、そのアイテムに関する「あるある」を一生懸命調べたり、詳しい人に聞いたりしました。そんな「そのものならではの魅力」を詰め込んだ、スケッチや写真をまとめた仕様書を描き起こすことも多かったです。

自分のアイデアを形にするとなると、準備もそれなりに時間がかかってしまうので大変な面ももちろんあるんですが、そこまで任せていただけるという意味では、やりがいにつながる部分でもありますね。

お客様に「嬉しい」「楽しい」を届ける

これまで制作した中から、いくつか紹介していただけますか?

福地はい。まずNPCからはこちら、ダンサーの「ベルリーナ」を紹介します。このキャラクターは比較的デザインの要素が多く、服のスパンコールや首まわりの装飾、後ろのカラフルな羽など、細かい部分まで表現しています。

続いて装備品からは、こちら婚礼衣装の「しろむく」を紹介します。
任天堂さんから「結婚式の和風の衣装が欲しい」とオーダーをいただいて作成したものです。よく見ると、女性の着物におめでたい鶴の模様をあしらっているのですが、じつはすごく繊細な作業をしてます。他のアイテムと比べた時に極端に目立たないように、いかにさりげなく表現するかが結構大事なポイントです。「つのかくし」のかんざしの密度感なども気を付けて作っています。

任天堂さんとお仕事をしてみて、どのような印象を持たれましたか?

福地データを作っていると、どうしてもクオリティに目が行きがちになってしまうのですが、任天堂さんはクオリティだけでなく、お客様の視点をものすごく大切にしています。お客様がこれをプレイした時にどう思うか、「こうなると嬉しいよね」といったお客様目線の提案や指摘も多く、一緒にお仕事していてとても刺激になりますね。ゲーム開発に携わるデザイナーとして、そういった部分も妥協することなく、やるべきところまで徹底して追求できるので、すごく贅沢な環境だと思います。

誰もが成長し、成果を出せるスタジオを目指して

お仕事の中で、どんな時にやりがいを感じますか?

福地そうですね。やはりお客様が喜んでいる様子や感想を目にした時は嬉しいですね。自分でプレイするのも好きですが、今は他の人が夢中になってゲームをしている姿を見るほうが好きで、楽しそうに遊んでいる友人から「これ最高!」といった感想が聞けたりすると、苦労が報われます。大変だったけど参加することができて良かったな、という気持ちになりますね。

あとは、チームのメンバーが提案したものがそのまま採用されると私も嬉しいです。この装備品の「ヴィジュアルけいドレス」がそうなんですが、「このまま進めてください!」と任せていただき、完成させることができました。

お仕事で大切にしていることは何でしょう?

福地デザイナーとして意識しているのは、正しい情報や知識を得るということです。今はインターネットで膨大な情報を検索することができて非常に便利です。でも、中には誤った情報もあり、その情報をもとにデータを作ってしまうと、誤ったものを届けてしまうことになります。そういったことが起きないように、常にさまざまな情報にアンテナを張って情報を蓄積し、ゲームというジャンル以外にも、最新のコンテンツなど世間が何に注目しているのかを意識しながら、「これだ!」と思うものをつかむようにしています。

班長としては、チーム内で少しでも気になることがあったら、話をする機会を設けています。やはり、ゲーム制作はチームワークあってのものだと考えているので、メンバーのちょっとした変化や体調、メンタルへの配慮も欠かせません。プライベートも大事にしてほしいので、休みにくい環境にしないよう気を付けつつ、チーム運営をしています。

京都スタジオで働くうえで、求められるスキルや人物像を教えてください。

福地デザイナーとして、基礎的な3Dモデリングに関連する能力はもちろん必要ですが、技術面は入社してから補うこともできます。経験の浅い方でも絵心があったり、作るのが好きだったり、前向きな気持ちを強く持っている方のほうが、入ってから伸びるのではないかと思います。

そういう意味では、向上心が一番大事かもしれないですね。新しい技術を調べたり、取り組んだり。そして、それを自ら考えて作品として表現したり、まわりの人に伝えたりできる方がいいのではないかと思います。独りよがりにならず、多角的に検討したうえで提案できる力があると、さらに活躍できるんじゃないでしょうか。

10年前のスタジオ開設当時は、フロアに配線むき出しの中(笑)、本当に少人数でスタートしました。今も、その当時のアットホームな雰囲気を残しつつ、10年培ってきた「京都スタジオらしさ」も出てきたと思います。開発環境も整備され、高い意識を持った若い世代が増え、組織としてメンバーが成長できる場が整ってきたと感じています。

ご自身は今後どんな存在になっていきたいと考えていますか?

福地いろんなことに挑戦して自分の幅を広げていきたいです。何事にも広い視野を持って物事を進めていける、そんな存在になっていきたいですね。社内には高い能力を持つ人がたくさんいるので、その人たちの経験や知識を融合し、みんなで最高のものを作っていけたら嬉しいです。

最後に、入社を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

福地京都スタジオは、それぞれが個性を活かしながら働ける環境です。お仕事にワクワクしたい方は、ぜひご応募ください。

本日はどうもありがとうございました。

※感染症対策として
ビデオ会議形式にてインタビューを実施しました。