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はじめに

こんにちは。モノリスソフト テクニカルアーティストの廣瀬です。
今回は2021年7月に公開されたVAT3.0を触ってみたという記事です。
VAT3.0は Houdini 18.5.617以降 UE4.26, 4.27, 5.0EA に対応しています。VAT3.0でつまずきそうなところを抜粋して書いていこうと思います。

VAT3.0作成用のファイル(monolithtech_vat3.zip 233.4KB)はこちらです。

DOWNLOAD


HoudiniでVAT素材を書き出す

まずはHoudiniでVAT素材を書き出してみます。
今回はSideFX Labsのインストール方法やSOPの内容は割愛します。Houdiniでサンプルファイルを開いて/outに移動します。

tech_02_02.jpg

これから各モードで書き出す際につまずきやすい点を解説していきます。
全体としては、書き出すメッシュはDivide SOPなどでトライアングル化しておくとVATノード内でトポロジが変更されないので無難です。

Rigid VAT

Rigid VATから書き出してみます。と言っても、Render Allボタンをクリックするだけです。成功するとExport Pathの場所にVAT素材が書き出されます。

tech_02_03.jpg tech_02_04.jpg

書き出すジオメトリの注意点としてPack済みのプリミティブであることとpivotアトリビュート、orientアトリビュートが必須です。

また、VATノードのRotation InterpolationAccurate Multi-RPF Slerp with Anguler Velocityの場合はアトリビュートが必須です。

tech_02_05.jpg

Soft VAT

Soft VATを書き出します。こちらもRigid VAT同様Render Allボタンをクリックするだけです。

tech_02_06.jpgのサムネイル画像

書き出すジオメトリの注意点は特にありません。

Sprite VAT

Sprite VATを書き出します。こちらもRender Allボタンをクリックするだけです。

tech_02_07.jpgのサムネイル画像

書き出す際の注意点としてフレーム補間やVariantを使用する場合はidアトリビュートが必須です。その場合、popnetなどを使用している場合初めのフレームにポイント(idアトリビュート)が存在していない場合があります。
その場合はTime Shift SOPなどでポイント(idアトリビュート)が存在するようにする必要があります。

tech_02_08.jpg

Fluid VAT

最後にFluid VATを書き出します。Fluid VATは2回に分けて書き出します。
まずはRender PassFirst Passになっているのを確認してからRender Allをクリックします。

tech_02_09.jpgのサムネイル画像

次にRender PassSecond PassにしてからRender Allをクリックします。

tech_02_10.jpgのサムネイル画像

書き出すジオメトリの注意点は特にありません。

UE4でのインポート

まずはVAT3.0のUE4のプラグインを配置します。

%UE4プロジェクト%\Plugins に、
%ドキュメント%\houdini18.5\SideFXLabs\%Houdiniバージョン%\SideFXLabs18.5\unreal\%UE4バージョン% の中身をコピーします。

その後UE4を起動します。

FBXのインポート

書き出したFBXファイルは全て以下の設定で読み込みます。

tech_02_11.jpg tech_02_12.jpg

テクスチャのインポート

全てのテクスチャを普通にインポートします。
インポートした ~_pos と ~_rot のテクスチャを選択してスクリプトアクション Side FX VAT HDR Texturesを実行します。

tech_02_13.jpgのサムネイル画像

インポートした ~_lookup のテクスチャを選択してスクリプトアクション Side FX VAT Non HDR Texturesを実行します。

tech_02_14.jpgのサムネイル画像

Rigid VATマテリアル

今回、Rigid VATのマテリアルは以下の感じで作成しました。

Num Customized UVs 5
Tangent Space Normal Off

に設定します。

tech_02_15.jpgのサムネイル画像

Rigid VATのマテリアルインスタンスの設定は以下です。

tech_02_16.jpgのサムネイル画像

Soft VATマテリアル

今回、Soft VATのマテリアルは以下の感じで作成しました。

Num Customized UVs 5
Tangent Space Normal Off

に設定します。

tech_02_17.jpgのサムネイル画像

Soft VATのマテリアルインスタンスの設定は以下です。

tech_02_18.jpgのサムネイル画像

Sprite VATマテリアル

今回、Sprite VATのマテリアルは以下の感じで作成しました。

Num Customized UVs 2
Tangent Space Normal Off

に設定します。

tech_02_19.jpgのサムネイル画像

Sprite VATのマテリアルインスタンスの設定は以下です。

tech_02_20.jpgのサムネイル画像

Fluid VATマテリアル

今回、Fluid VATのマテリアルは以下の感じで作成しました。

Num Customized UVs 4
Tangent Space Normal Off

に設定します。

tech_02_21.jpgのサムネイル画像

Fluid VATのマテリアルインスタンスの設定は以下です。

tech_02_22.jpgのサムネイル画像

まとめ

いかがだだったでしょうか。今回はVAT3.0の使い方、つまずきそうなところをまとめてみました。個人的な感想としては、従来のVATのような煩わしい設定が必要なく簡単にUE4に読み込めるようになった印象です。
より詳しく知りたい方は、「Vertex Animation Texture 3」や「VAT3.0」で検索してみてください。
この記事がVAT3.0を触るきっかけになれば幸いです。

執筆者:廣瀬

映像業界を経てモノリスソフトへ入社。 以来、テクニカルアーティストとして主にエフェクト関連の業務を担当。 好きな食べものはソフトクリーム。

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